ハルトの戸惑い

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次の日、リアムは俺と同じクラスに現れた。 そして俺の隣に来て、昨日の眩しい笑顔で 「ハルト、昨日はありがとう!隣よろしくね。」 と言ってきたんだ。 そして周りのザワツキ。 きっとリアムも俺の事を知れば同じように離れていくだろう。 素っ気ない対応をしてしまった。 それに対して、 「ごめん!僕なんか迷惑かけてる?」 としょげたように言う君がちょっとかわいく見えてしまったのは内緒だ。 初めての授業、リアムは頭のいい人間だったようだ。 はじめはからかっていた周囲も、リアムに魅了されていったのが遠巻きにわかった。 俺が先なんだけどな…などと思ってしまいハッとなる。 俺は何を考えていたんだ? そっと教室を後にした。 剣の授業。俺は兄上と一緒に鍛錬していたため得意なほうだ。 しかし、リアムはどうだろう?細い身体で剣なんか持てるんだろうか? いつのまにかリアムを気にしていた。 クラスメイトに変に絡まれているようだし。 しかし心配する必要は無かったようだ。 相手のカーネルは完全にリアムに油断していた。 勝負はあっという間だった。 普段そこまで授業に真剣に取り組んでいたわけでは無かったが、この時ばかりは身体が熱くなり、本気を出してしまった。 そして試合後、リアムの熱い視線を感じてしまった。 どうやら俺の剣術が気に入ったようだった。 俺は何故だか非常に恥ずかしくなった。 放課後、いつものように魔法訓練施設へ向かうと昨日教えた魔法の練習をするリアムがいた。 どうやら自分で色々考えながらやっているようだ。 昨日の状態から次の日にアレンジを入れてくるなんてすごい奴だと思った。 「リアム…お前すごいじゃん!昨日の今日で良く上達したな。」 と言うと、嬉しそうな顔をして 「ハルト!ありがとう。でもこれどうしたらいい?」 と魔力を持て余しているようだった。 どうやらリアムは相当な魔力持ちの様だ。 普段なら他人に興味はないが、リアムに関しては違うようだ。 「他のもやってみるか?」 そう言って魔法を教えてやることにしたんだ。 しかし人に教える事なんて無かったから、実は結構大変だという事がわかった。 うっかり上手に飛べているからと安心していたら、リアムがバランスをくずして落ちてきたのだ。 ケガをさせてはだめだと焦って抱き留める。 男だと思ってはいても、なんだかリアムの顔を見ると赤面してしまった。
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