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「アラン・リアム君だね。もう身体の調子はいいのかな?」
声を掛けてくれたのは今日から担任になる先生だった。
「はい。ご心配お掛けして申し訳ありません。もう大丈夫です。今日からよろしくお願いします。」
「フェイン・カールだよ。困ったことがあったらいつでも頼ってくれ。」
先生への挨拶を済ませ次は教室へ向かう。
今日の私は一応胸にはサラシを巻き、パンツに詰襟のシャツに上着を着ている。金髪の髪の毛は少し長めのショートヘア。3年前からこのスタイルだ。
男にしか見えないはず。
教室に入る前にもう一度身だしなみのチェックをする。
深呼吸してから先生に続く。
「今日からこのクラスで一緒に学ぶことになったアラン君だ。さぁ挨拶して。」
先生に教壇の真ん中へ誘導される。
「はじめまして。アラン・リアムです。どうぞよろしくお願いします。」
すると後ろの方から
「よろしく~」
「ひょろひょろしてて女みたいだな。」
「随分綺麗な顔をしているな?」
などと聞こえてきた。
私やっぱり女みたいって言われちゃうんだ。気を付けなきゃ。
そう思いながら教室を見渡すと…あっ!昨日のハルトがいた!
そして隣の席が空いてる!
「先生、僕の席はあそこですか?」
そう言いながら空席を指すと、
「あぁ、そうだよ。行って。」
そう返って来たので、急いで席に移動しました。
「ハルト、昨日はありがとう!隣よろしくね。」
と笑顔で言うと、
周りがザワついた。
「アイツライン家と知り合いか?」
「しかもハルトって呼び捨てじゃん!」
「どんな関係なんだ?」
ん?
ハルトってば有名人?
「ごめん!僕なんか迷惑掛けてる?」
そう聞くと、
「いや。気にしなくていい。」
って。
授業が始まったから 一先ずザワつきは収まりました。
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