「ムカつき…」 

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「すいません、ホントッ!すいません!!コイツ、だいぶ酔ってて、お前も謝れ!馬鹿!! (両手を上げた男の頭を無理やり下に下げながら!)たまに、外で飲むとこれだよ? もう、連れてかねぇぞ!馬鹿っ!あの、本当にすみませんでした。ホラッ!行くぞ!!」 「大丈夫~、もう大丈夫…酔ってねぇよ~、行こうぜ~」 両脇を抱えられ、引きずられていく男を眺めながら、彼女はただ驚いていました。 自身の肩に男が触れ、そのまま腕を上げた時、何か黒いモヤのような塊が 引き上げられたのです。高く掲げられた男の両手の中で、黒いモヤは、ヘビの ように身をのたくらせ、やがて…消えていきました。 それと同時に、自身の頭がハッキリ正気づいたと言います。例の廃墟に行った後から、 今までの事が悪い夢のように感じられ、手に収まった包丁だらけの袋に、改めて驚きました。 そのまま混乱する頭を抱えながら、何とか自宅に辿り着いたそうです…  以上が、彼女が私に話してくれた内容です。職場内での問題は今だに、解決はしていません。ですが、あの一件以来、中年の女性も陰口を少し控えるようになり、職場内での 味方も出来ました。 なにより、彼女自身、仕事に一生懸命励み、周りに認められるように実績を 上げていった事も大きく関係しています。現在は、以前のように明るく、素敵な笑顔を 見せてくれる彼女に、私はこう尋ねました。  
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