黒い球体

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翌朝、そのことについて友人に尋ねてみたが、よく覚えていないという ただ、1つのメモを見せられた。 現地民に聞いた話を密かに記録していたらしい。 それは、ダークな黒い球体で 大きさは 赤ん坊の頭のよう 艶がなく 輪郭がクッキリとした 黒い玉  固定されているように浮かんでいる それを頭に思い浮かべてはいけない メモを読んでもよく意味がわからなかったので、そのときは大して気にもせず、すぐに忘れてしまった。 その日の晩の出来事。 就寝するために電気を消し、ベッドに横になり目をつぶると 頭の中に、黒い球体が浮かんだ イメージの中に黒い球体が浮かび、次第に輪郭がはっきりとしてくる ふとメモの内容を思い出し、不気味に思った私は慌てて目を開けると その球体は天井に浮かんでいた イメージの中にあった黒い球体が、今度は実体になり、はっきりと天井に見えている。 怖くなって目をつぶる すると、さっきよりも克明に頭の中にその球体が浮かび上がっている 目を開けると天井に 目をつぶると脳内に そしてそれは、無機質で直線的な動きで私の口元まで近づき、口の中に入り込むように迫ってくる。 金縛りのような状態になった私は、一切の抵抗ができず、ただ口を開けて流れに身を任せるしかなかった。 そして、気がづくと気を失ったように眠っていた。 これが数年前、私が初めてその球体を飲み込んだときの話。 翌日、現地民にその球体について尋ねても、誰からも答えを得ることができなかった。 友人も私も、全く意味がわからず、ただその現象を受け入れるしかないままにその国を後にした。 そして、それは今も毎晩続いている。 それは、ダークな黒い球体で 大きさは 赤ん坊の頭のよう 艶がなく 輪郭がクッキリとした 黒い玉  固定されているように浮かぶ これを頭に思い浮かべてはいけない このメモは、今も友人が持っている。 これまで私達2人以外にメモをみせたことがなく、このことについて誰にも話したことがない。 今、この話を聞いた人が、私達と同じような現象に悩まされることになるかどうかは、今のところわからない
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