7.帰る場所

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   手が止まった蓮をじっとジェイが見ていた。 「あ、ごめん。じっとしてろ、今口の周りを拭いてやるから」  言い終わる時にはその唇が蓮の口に押し付けられていた。 「じぇ……」 (甘い……) クリームを味わうかのように蓮の舌が動く。 「こら……イタズラするんじゃない、俺の口までベタベタだ」  ジェイの口と自分の口を拭いた。 「蓮、シャワー浴びたい」  これはどっちのジェイなのか? 目が……濡れている。期待に満ちた顔に突然欲が膨れ上がる。 「俺を煽るな。退院したばかりだぞ」 「蓮に体洗ってほしいんだ。俺、まだ1人でやれないもん」 「お前、卑怯だな」 「卑怯でもいいもん」  手を引かれた。ジェイにバスルームに連れていかれる。  シャワーで温まってくるジェイの体に、傷が浮かび上がっていく……  急に顔色が変わる。ボディシャンプーを掴んだジェイが必死に自分の体を洗い始めた。   
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