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大滝には全て報告してある。ジェイを挨拶に行かせないことも。その大滝がR&Dに顔を出した。
「そばに来たからちょっと偵察だ。たまにはいいだろう」
さすがにみんながピッ! とした。一人気にしないのがジェイだ。千枝が動こうとしたのを見て、大滝はみんなに手をあげた。
「元気そうで良かった。みんな体に気をつけて仕事に取り組んでくれ」
蓮は出て行く大滝の後ろ姿に深々と頭を下げた。
「メール、凄い!!」
361件、溜まっている。
ジェイは先にデスクの上に重なっている資料に目を通していった。急ぐもの、重要なものに分け、要らないものはそのままゴミ箱へ。
急ぐものは優先順位で重ね直していく。重要なものはコピーを撮り、マーカーを引いていく。
テキパキと仕事をしていくジェイは以前のままだった。効率的で無駄をしない。
「花さんのメールチェックしておいていいですか?」
「頼みたいけど。お前、自分のは?」
「俺のは後回しです。午後やります。先方との大事な連絡は全部花さんに来るでしょう? チェックさせてください」
「じゃ、頼む」
スケジューラを開いて、メールを見ながら大事なことは転記していく。
花にそれを整理する余裕が無い。ジェイがいない間、それはおざなりになっていた。
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