7.帰る場所

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   そこに花が戻ってきた。様子が違うことに気づく。 「何かあったの?」  小さな声で聞かれた千枝が呆然として答えた。 「隣の女の子が事件のこと……駐車場のことを直接ジェロームに聞いちゃって……みんなどうしていいか分からないの……」 「ジェローム、花だ。戻ってきたよ」 「花さん、どこ行ってたの?」  言葉が子どものようにたどたどしい。 「お前が教えてくれたろ? 受付で資料受け取ってきたんだ、ほら。ありがとうな」 「俺、座りたい」 「いいよ。自分の席なんだ、座れ。俺さ、来るときにジョーグルとプリン、買ってきたんだ。要るか?」 「ジョーグル!」  みんなただ黙って見て聞いていた。 「午前中、頑張ってくれたな。助かったよ。昼飯どうしようか」  ジョーグルを飲みながら真剣に考えている。少しして、ジェイがハッとした。 「俺……何か迷惑かけた?」 「何も。どうした? お前がいないと俺はやっぱりだめだってことが分かったよ」 「俺、仕事頑張る。だからここに置いてくれる? まだいてもいい?」  ジェイを抱きしめた。仕事だけなら大丈夫なのだ、仕事だけなら。ジェイの悲痛な言葉がみんなの心に刺さる。  花は喉の熱い塊を呑み込んだ。声が引っ繰り返りそうだ…… 「いいよ。俺を助けてくれ。お前がいない間にいろいろ溜っちゃったんだ」   
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