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「ほら! みんな仕事に戻って。こんなことどうってこと無い。忙しいんだからジェロームもボサっとしないで」
「はい、三途さん」
「ま! あんたも生意気に 三途さん って呼ぶようになったのね。後でコーヒー奢んなさい」
「やだ、俺、奢んないからね」
「あっそ! 今から転送するデータ、2時までに片づけてね」
「分かりました、やります」
また仕事モードに戻ってきたのを見てみんなホッとした。どう気をつければいいのか、対応すればいいのか分かったような気がした。
蓮と池沢が戻ってきた。後ろにいるのは田中だ。
(何かあったんだな?)
敢えてそれを聞かなかった。会社では課長。それを通す。それはジェイが納得しているルールだ。
「まだ5分前だが昼飯にしよう。俺たちは打ち合わせがてら食いに行く。花、ジェロームを頼む」
「了解」
「私も行くわ、花」
「俺も」
尾高が珍しく加わった。やはり心配でならない。
どこで食べたいか聞かずに近くのビルの地下に入った。ジェイはここに初めてくる。
「ここはな、穴場なんだ。お前の好きなものもずらっと並んでるよ」
花が指さすガラスケースの中にはいろんなパフェが並んでいた。
「俺、カレーが食べたい!」
「いいわね、カレー!」
「俺もだ。じゃ、全員それでいいか?」
花もそうした。ここのカレーは辛くて美味い。
「俺、チョコパフェも」
「え? そんなのも食べるの?」
「うん」
嬉しそうに笑うジェイに三途川も笑った。
「しょうがない! 今日は私があんたの分奢ってあげるわ」
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