彼は便利だ

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私が彼──九条 蓮に拾われて早くも一ヶ月が経過した。 始めのうちは流石に少し警戒していたが、それもすぐに必要ないと判断した。 蓮は、私の力に一切興味を示さなかった。 あの日、「追われているのか」と一度聞いてきたきり、私の事情に関することを確かめることはない。 そして何より、蓮の家───というより、前に暮らしていた日本家屋とかいうのか?その作りと同じ屋敷では上げ膳据え膳、一日中何もせずにいても誰にも何も言われない。 というよりは、私の周りに世話係のように蓮が付けた8歳ほどの少女が寝ている間にたまにやってくるぐらいなので、まず人にあまり合わない。 その少女も、中身と外見が割にあっていない気がするし、第一気配が非常に薄い。 一人の空間というより、物静かな場所が好きな私にとってはコソコソされると寧ろイラッとして逆により気配がうっとおしくなるが、アレならば文句はない。
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