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「いつ、」
いったいいつ、アンリが会いたくなるのだろう、とケイは思う。
中学のとき、アンリの周囲には必ずいつも誰かがいた。
今だってきっと、高校にはたくさんの友だちがいて、家に帰れば優しい家族がいて、ケイがいなくても何一つ不自由がないはずだ。
「ケイトが会いたくなった時、かな」
「ならない……」
ケイは小さな声でそう言ってから、続けて、
「もう、アンリに、会いたく、なら ない、」
「昨日は寂しいって言ってたじゃん」
「寂しい、から、」
「逆でしょ」
ケイは、え? と首をかしげた。
「寂しいって、会いたいってことじゃないの?」
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