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気色の悪い、甲高い、嬌声が聞こえる。
喉が痛い。
その声が自分のものだと知って、胸の奥からこみ上げる不快感が体内を巡った。
――気持ち悪い。
しかし心とは裏腹に、体はあさましく快楽に溺れた。
それはもう、自分の体ではないみたいだ。
「あ、ああ、あ、あ、」
後ろから知らない男の熱が体の中を出入りするたびに、ケイの中心から蜜があふれ、甘い声が漏れ続ける。
男は興奮しきった吐息で、しきりにケイの背中を湿らせた。
そこからじんじんと、鈍い痛みが広がってゆく。
それはやけどのときのように、皮膚が黒く爛れていく感触だった。
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