137人が本棚に入れています
本棚に追加
ついでに軽く体と髪を洗ってからリビングに戻ると、アンリはもうすっかり目を覚ましていて、ベッドの上であぐらをかいて、スマートフォンをいじっていた。
ケイが戻ってきたことに気づいたアンリは、こっち、とケイをベッドのほうへ手招く。
ケイはアンリの横に腰を下ろした。
「すっきりした?」
わざと答えづらいことを聞かれている気がして、ケイは不満のためにむうっと口をとがらせた。
その様子を横目でみて、アンリがくすくす笑っている。
「じゃぁ、さっきの続き。ちゃんと考えるって言ったよね、」
言ったのではなく言わされたのだと、ケイは思って、不満の表情をそのままに、ベッドの上に足をのせて、体育座りをした。
「また髪乾かしてない、」
アンリはケイのうなじを触りながら、
「毎日会うならいいの?」
と訊いた。
ケイは左右に首を振った。
「ケイトが会いたい時に会う?」
ケイはもう一度首を横に振る。
「じゃ、おれが会いたい時に会う」
質問なのか、決定事項なのかが判別しづらい抑揚でアンリが言った。
最初のコメントを投稿しよう!