6.心の場所

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 アンリの言っていることは、きっと正しい。  しかし、仮に正しいとして、ケイの本心が『会いたくない』ではなく『会いたい』だとして、それを認めたところで、どうしようもない。 ただ、苦しいだけだ。 「いつでも、会えない、」  と、ケイが言えば、アンリは、 「会えるよ」  即答した。 「学校、ある でしょ、」 「休んで会いに来る」 「夜中、だったら、来れない、よ、」 「タクシー使えば来れるよ」 「なんで、」  ケイはアンリがどうしてこんなに、『会わない』の選択肢を納得してくれないのかが理解できない。 平行線の問答に疲れてきて、半ばあきらめたような気持ちになり、はー、と長息して、立てた膝におでこをつけた。
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