6.心の場所

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「……連絡、する、」  とうとう諦めて、ケイはぽつりと呟いた。  アンリはぱっと表情を明るくする。 「本当?」 「寂しい、とき、アンリに、言う、」  ケイの言葉に、アンリの目もとが柔らかく緩んだ。 いつもの、見慣れた優しいほほ笑みが向けられる。 「約束だよ、絶対、」  アンリは念を押すようにそう言って、ケイの体をぎゅっと抱きしめた。  隠していたはずの心はもう、元の場所に戻ってしまった。 アンリの体温に、その心はじんわりと溶かされてゆく。  ケイはアンリの胸に顔をうずめ、まぶたを閉じた。 鼓動の音が聞こえる。  不意に、好き、という言葉がこぼれ落ちそうになった。 しかし唇を噛み締めてそれを呑み込む。 胸が締め付けられて、ずきりと痛んだ。
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