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うるさいのが席を外すと、龍広はすぐに集中しました。
どうでもいい話のせいで遠くなってしまった英単語の意味を次々に取り戻していきます。
「どうぞ」
やがて戻ってきた響は、まるで秘書のごとく龍広の横にウーロン茶をおきました。
「ありがと」
最低限のお礼を口にし、また問題の中へ潜りこみます。
役目を終えて再び席につくと、響はそれっきり口を開かなくなりました。「待て」と言われた犬のように、両手をひざにおいて、静かにしています。
流石にしゃべり疲れたのだろうかと龍広は内心ホッとしながら(ほんの少し寂しく思いながら)回答をノートに書き込みます。
邪魔が入らないおかげでスルスルと進み、あっという間に大きな問題を終えました。
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