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「さっき龍広くんを待ってたとき、不安だったんだ。もしかしてボクに友達なんていなかったかもって。ボクの頭がおかしくなってるだけだったら、どうしようって。……そんなことないって分かってるのに……、すごく怖くて……」
「ひび、き……」
辛い目に遭わせた上にそんなことを考えさせてしまったなんて。
深く頭を下げようとしましたが、それよりも先に響の手が伸びてきて、龍広の腕をぎゅっと握りました。
「龍広くんは、ここにいるよね?」
痛いくらいに、強く。
「大丈夫だよね? いなくならないよね?」
「当たり前だ。幽霊じゃあるまいし」
「本当に」
「ああ」
「ホントのホント?」
「本当だ」
それほどに心配なのでしょう。
当然です。
やっとやっと叶った夢なのですから。
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