初恋の記憶

2/2
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
  緑色に輝くとうもろこし畑に、白いワンピースが踊る。 とうもろこしの陰からいたずらに顔を出す彼女を捕まえようと、躍起になって駆け回る。 右へ行けば左から、左に行けば後ろから、彼女はまるでからかうように、僕を翻弄して笑う。 結局僕は、お別れの日になっても、彼女を捕まえることはできなかった。 ――あの夏の鬼ごっこは、今もまだ終わってないんだ。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!