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「はい、『コーン・サマー』でした。ありがとうございましたー!」
大石が叫ぶように声を放つと、人だかりから大きな拍手が巻き起こる。
先ほどまで夕焼けに燃えていた空はいつの間か真っ黒な闇となり、黄色い月がただ一つ、群れる人の輪を見つめていた。
「おお、最高ー!」
「切ないねえー」
観衆からの労いの言葉に、愛想笑いを返す。
こうやって、沢山の人から認められ、喜ばれて、待ち望まれる。
こんな生活に、未練がないわけではない。
しかし、この生活をずっと続けていくことはできないと感じているのも本当だった。
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