じゃあ、俺がお前の就職先を紹介してやろう

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     ――というのが、昨日の出来事だ。  そして、今日、(まさる)は担任の京橋伊吹(きょうばし いぶき)に、進路指導室に呼び出されていた。  目の前に座る伊吹は腕を組み、なにやら深く考え込んでいる。  すっきりとした男前のこの担任が、優はちょっと苦手だった。  確かに格好いいとは思うのだが、その整いすぎた顔のせいか、似合いすぎる眼鏡のせいか。  なにやら情がなさそうに見えるからだ。  向かい合って座る二人の間にある机には、優が白紙で提出した進路希望調査票が置かれている。  反抗の意思があって、白紙で出したわけではない。  単に進路を思いつかなかったのだ。  だが、まあ、怒られても仕方のない所業だろう。  しかし、優を呼び出した伊吹は腕を組み、目を閉じたまま沈黙していて、一向に叱ってこない。  怒られるより居心地が悪いな、と優が思ったとき、ようやく、伊吹が口を開いた。
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