1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
誕生日のギフト?
「ああじい~~~」
僕、真白(マツシロ)は余りに暑すぎて自分の席から動くことが出来ず、近にいた友人、澄黄(スミキ)に懇願する。
「スミキ~ジュース買ってきて~」
ダルダルの身体を何とか動かして財布を澄黄に渡す。
「俺の分も買っちゃうからな」
「ん~。サンキュ」
3-1の教室は3階。
自動販売機があるのは1階。
帰宅部の僕にはとってもキツイ距離だった。
ここは、先日引退したがバスケ部元部長で、エースを務めた澄黄に任せるに限る!
顎から腕から垂れる汗が机の上に溜まって水たまりが出来る。
教室を出かけていた澄黄が振り返る。
「やっぱいいや。今日マツ誕生日だし。見返り無しでやってやる」
「えー。いや別にいーよ」
別にたかが生まれた日だし、買ってきてもらうわけだし、澄黄も喉乾いてるだろうし……ああ、脳が溶けるう。
澄黄に言う言葉を色々と考えたが、脳は既に仕事をしておらず、その言葉が口まで届くことは無かった。
最初のコメントを投稿しよう!