大好物は……

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学校に着くとすぐに部室に荷物を起き、部活に励む。 準備運動をすると、いきなり練習試合だ。 走って、受け取って、投げて、走る。 当然汗だくだ。すぐそこまで近づいてきた夏の暑さも手伝って、尚更だ。 朝練が終わると、ポテチ真理教の奴らは部室の中で座って、下敷きやら教科書やらを取り出してうちわ代わりにしている。 これから学校があるというのに、今から死にそうな顔をしているのもチラホラいる。 脆弱なポテチ真理教め。 俺はそんなポテチ真理教を横目に、タオルとボディーシートで汗とにおい処理をすると、奴らは恨めしげに俺を見る。 「お前なんでそんなピンピンしてんだよ」 「ボディーシートとか女子かよ」 うるさい、この前朝練終わった後に好きな女の子に臭そうな顔された俺の気持ちが分かるか。 「ポテチばっか食ってるからだバーカ」 ボディーシートの件は無視してそれだけ言うと、俺は制服を着てポテチ真理教の巣窟から抜け出した。 でもまぁ、なんだ? なんだかんだ言ってもポテチ真理教の奴らだって大事な仲間だ。 今からああもバテてちゃ、真夏日に乗り切れない。 対策なんてやはりおしんこと漬け物しか知らないし、奴らはバカにしてばかりで食べようともしない。 「……ばあちゃんに相談してみるか」 俺はこの日、家に帰るとばあちゃんの部屋へ行った。 「なぁ、ばあちゃ……なにしてんの!?」 「おぉ、正樹か。おかえり。なにってほれぇ、ゴキブリが出てきたから退治したんじゃよ。暑いとこれが出てくるから困りものじゃわい」 ばあちゃんはそう言うと、素手で握りつぶしたゴキブリをクズかごに入れた。 ……うちのばあちゃんは本当に破天荒だ。
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