92人が本棚に入れています
本棚に追加
1986年
敦子が突然、自宅で倒れた。
検査をすると膵臓癌のステージ4であり、既に癌は他の多くの臓器に転移していた。
忠明の懸命の治療を試みたが、残念ながら余命半年であった。
忠明は、あるアィデアを敦子に持ちかけた。京子の身体を敦子に移植したいと。
敦子はまったく受け入れなかった。京子を殺すなんて有り得ない。
京子は私なのだから、あなたは京子と生きてと敦子は言った。
その年の夏、敦子は四十五歳で亡くなった。
忠明は本当に後悔した。
あんなに愛した敦子を亡くした喪失感から人が変わった様だった。
そして忠明は誓った。
「絶対、京子は守る・・」
最初のコメントを投稿しよう!