第12章 綾の語る、安曇忠明の過去

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1994年 忠明はもう一人の自分の半身、田所健二が安曇大学医学部に入ったのを知った。 そして忠明は、彼を育て自分の移植を執刀させる事を思いついた。 少し時間が掛かるが、自分自身に執刀してもらうのだから、何より安心だ。 また、ほぼ全てのクローンを使い切った忠明は別のクローン製作を進めることにした。 同様に不妊治療をしていた高橋と小山内は会社の経営にも行き詰まっていた。 忠明は彼らを安曇重工に招き高い地位で優遇すると共に、不妊治療の一環として、安曇病院での体外受精を勧めた。 この試みは成功し、この年に高橋真理と小山内達也が誕生する。 もちろん敦子と忠明のクローンだ。
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