第13章 真実、そして絶体絶命

1/3
前へ
/65ページ
次へ

第13章 真実、そして絶体絶命

「真理さん、もう分かったと思うけど、貴女は京子さんへ身体を移植する為に生み出されたクローンなの。私と同じように。そして、達也さんも」 真理は愕然としながらも理解していた。 「つまり、十年前のお父さんの墜落事故もお母さん交通事故も・・」 「全て今日のために仕組まれたものよ。それによってあなた達二人を安曇の家に入れて、安曇のトップとして実績を作らせる、そして新しく開発された脳移植を行い、忠明は達也さんの身体に、京子は真理さんの身体に移植される。そうすれば若返った2人は引き続き安曇のトップとして君臨できるわ。そしてあなた達は脳しか残らない」 「そんな・・」  でも、真理には疑問があった。京子おばさまのことだ。 「でも待って。おばさまは私を助けようとしてくれたわ」 「そう、京子は最初からこの移植に反対なの。私の移植を受けたのもの本意ではないの。だから、私の意識を消さない様にしてくれたのよ」 真理は言葉が出なかった。 「今回も、自分の病気が達也に知られると、真理さんに危険が及ぶと考えて、こっそり横浜で手術を受けたの。でも達也に捕まってしまって」 「でも、京子はこの病院に移送されて、達也に知られてしまったと気付いた後、貴女にメッセージを送った。真理さんを守る為にね。でも、見つかって、もう眠らされてしまった・・」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加