第2章 真理、運命の歯車が回り出す時

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真理が職員室に行くと、そこには達也も呼ばれていた。 「えっ? 達也も? なんで?」 「知らないよ。真理が来てから話すって言われた」 その時、真理のスマホの画面に、ニュース速報のメッセージがポップアップする。 [安曇航空機国産ジェット初飛行で墜落。乗員の安否不明] 「えっ?」 達也も同時に見たらしい。 「うちの飛行機が堕ちた」 そこに教頭先生が職員室へ入ってきた。 「二人のお父様が事故にあった可能性があるそうです。今、会社の人が迎えに来ています。直ぐに茨城空港に向かって下さい。二人のお母様も別の車が迎えに行っているとのことです。急いで!」 二人が学校の外に出ると、車寄せに真理の父の会社から来た車が停まっていた。 真理と達也が乗り込むと、運転手は 「それでは、これから茨城空港に向かいます。シートベルトをお願いします」 とだけ言って、後は無言で車を走らせた。 達也がスマホを操作し、初飛行の動画を見つけた。 飛行機は離陸までは普通に見えた。離陸して十五秒ほどで、突然機首がほぼ真上を向いた。 そのまま速度を落とし、今度は真っ逆さまに地上に落下した。 離陸してから墜落するまでは三十秒無かったと思う。 「普通、社長や役員は初飛行に乗らないよね? テストパイロットだけだと思うけど」 と真理は呟いた。 「俺もそう思う。ただ飛行機は茨城空港近くの農地に堕ちた様に見えるから、地上の人を巻き込んではいない。そうするとこの事故と父さん達が関係しているとすれば、あの機体に乗っていたということかもしれない・・」 「えっ? うそ・・・・」 真理は声を失った。 その後、真理は茨城空港に到着するまで泣きじゃくっていた。
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