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序
ついつい沢山買ってしまう。無理もない、ここ数ヶ月仕事漬けでデパートになんていく時間がなかったのだから。
「私なんでこんなの買ったんだろう」
衝動買いあるあるなのだろうか、少なくとも私は毎回失敗する。
「こんなの使わないのに」
思い出に浸りながら罵倒していく、それが一つの楽しみになっている。
一人暮らしをしている人間に注意する人は誰もいない。いや、正確には注意してくれる人がいない。そうだ、私は生まれてこの方恋愛というものにてんでかかわりを持たなかった人間だったのだ。
片思い?何それ。そんな感情知らないし。分からない。
社会人になると時の流れが早いらしい。まだいいかとか思いながら少し焦りも感じているのだった。
大好きな漫画を読みながら別のことを考えていて、
「これじゃあ全くもって集中できやしない!」
なんだ?何を急に焦っているんだ?本当は欲しいと根から思っているのか?
私は私だろう、なぜ分からないんだ。目をそらしているのか、自分のことなのに。どうして分からないんだ。隠しているのか?
「だめだ、自分で自分を攻めると虚しくなる」
本当に味方がいなくなってしまう。自分の心の中なんて自分にしかわかりやしない。言葉になんて言い表わせないぐらい複雑にできている。
「はっ!!」
我に返る。そして
「お散歩しよう!」
箱から出れば何かあるかもしれない。0より1へとかけてみるのも面白いだろう。
私は外へ出たのだった。
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