手紙

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手紙

満井(みつい)先生へ  先生と出会って、もうすぐで三年です。あっという間ですね。中三の時に、先生に勉強を教わっていたのが懐かしいです。  私は高校に入学して、もう二年目になります。勉強や部活動は、自分なりに頑張っているつもりです。  先生は元気にしていますか。あの日以来、会えていないのでなんだか寂しいです。また先生に会い……                     日が沈み、活気のある町が寝静まった頃。自室を、机に配置されているスタンドライトのみで照らす。それは銀河の星を連想させるように、真っ暗な空間でまぶしいくらいに白い光を放っていた。  私は何をするわけでもなく、机と向かい合って座っている。ふと、あの存在を思い出して、引き出しの底から二つ折りの便箋を取り出した。相手の手に渡る予定などない、中途半端な手紙である。  指を滑らせて右下の角から手紙を開いた。文章を一度、頭から読み返してみる。何かが心臓の奥深くで渦巻いた。胸が痛い。息も苦しい。  目を通し終えると少し悩んでから、それを握りこぶしに収まる大きさにぎゅっときつく丸める。(てのひら)にできあがったしわくちゃの玉を、机の横にあるごみ箱に投げ入れた。  私はふっと、短くため息をつく。今の気分とは正反対なくらいに明るいスタンドライトを消し、彼の姿が脳裏(のうり)に浮かぶのを誤魔化(ごまか)しながら、背後にあるベッドに潜り込んだ。
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