第3章

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 男のねっとりした笑い声が耳穴を舐める合間に流れ込む。でも、次の瞬間怒ったような冷たい低い声で囁いてきた。 「なぁ、千砂。もしかして、俺を煽るために男とヤッたの? ……俺が居ない時、ここでオナニーしてただろ? なんかさ、いっつもお前の雌の匂いがすぐ近くからしてて、変だなぁって思ってたんだ……」  棘だらけのざらついた声に頭の中を撫でられるみたいで、ゾクゾクした。次の瞬間、指が奥へと突き刺さり力強く激しく擦り上げられ、くぐもった悲鳴を上げた。にゅちにゅちと聞いたこともない音と共に、私は急速に昂って全身に力が入っていく。こんなことは初めてで、戸惑っている暇も与えてくれない。  男が触れた場所に熱く熟れた果実が弾けて飛び散った。それから長い長い痙攣が襲ってきて、息も出来ないぐらい苦しくて。なのに男はそうとわかっていながら、とても上手にしつこく私を掻き回し続けた。腰が砕けて脚はブルブルと震え、汗と涙でぐちゃぐちゃな私の唇に、大きな舌でベロンとキスをしてくる。  完全にオカシクなった私を男はしつこく追い詰め続け、耳たぶを甘噛みした。喋れない私に満足すると、男は嬉しそうに笑って頬や顎や首や鎖骨に歯を立てて(ねぶ)ったり吸い上げたりした。 「エロイ顔…声も最高…。我慢比べ、これで引き分けかな? それとも、…まだやる?」  ――― もっと、もっと、もっと欲しい! 私が欲しかったもの全部ひとり占めした聡から、私が与えて貰えなかったもの全部、私に頂戴!
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