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「新しい少女は使えそうかい?」
「まだ分かりません。ですが、今のところ無傷です」
「そう。じゃあ今回は長く保ってくれるかな?」
「それも、まだ分かりません。何分、雑魚しか相手にしていませんので」
「雑魚は雑魚でも、あくまで悪魔だ。躊躇わずに呪文を放てる少女も、多くはない」
「躊躇わないのは、人生経験の差でしょう。恵まれた育ち故の純粋と、愛を知らないからこその純粋。共に純粋で表されはしても、その質は大きく異なります」
「そうだな。純粋な人間で無ければ力は使えない。だが、純粋は武器にも弱みにもなる。その弱み、どうカバーしていくつもりだ?」
「あのタイプの純粋には、弱みは弱みにならないでしょう。少なくとも、人間の心を理解出来ぬ身では、その弱みがなんであるかも分かりません」
「ならば、我はただ見守ろう。来るべき時の為にも」
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