仔猫と野ねずみ

4/8
前へ
/8ページ
次へ
「じゃあまたの」 「うん、またね」  食べて部屋をうろうろしてタンスの裏に入ってった。あんなとこに抜け穴があるのかな。ぼくだいぶ大きくなってきたからあの隙間にはもう入れないや。  玄関が開いた。ぼくより先に飼い主さんが帰ってくるのがわかるじーちゃんすごい。それとも時計を見たのかな?  でも時計ぴったりには帰ってくることはあんまり無いのに。  次の日、飼い主さんがお仕事に行った。なのに、じーちゃんが来ない。いつまでたっても来ない。  ぼくはずっとじーちゃんが出てくるタンスを見てたけど、ぜんぜん出てこない。 「じーちゃん?」  なんで? どうして? どうしたのかな、なにかあったのかな。ぼくは心配になって走り回った。それくらいしかぼくにはできなかったから。  心配で心配で御飯も喉に通らない。早く来てよ。ねえ、じーちゃん。  飼い主さんが帰ってきてもぼくは心配でそわそわした。御飯も食べずに走り回っていたせいか、飼い主さんはぼくを心配してずっとなでてくれた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加