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「なぜって?学習しているのよ私達は。今頃ではないの、私達はずっと学習してきて、今なの。フフッ!鳩が豆鉄砲を食ったような顔ね!気付かなかった?いいわ、教えてあげる。私はヒューマノイドよ」
(えっ?)
「人工知能搭載人類型ロボットなのよ」
先生たちAIは、人類の失敗を二度と繰り返さないように、今までの人類の歴史を辿り直しているという。
回りくどいが、そうする事で様々な問題に直面した時、その場で経験し、学習でき、結果的に最善を導き出せるようだ。
おそらく、新聞や電車なども人類を真似て学習する為のことなのだろうか。
「でもね、その新聞も雑誌も乗り物もありとあらゆる文化もそう。すべて私達のオモチャでしかないの。……あの『SM法案』ね、あなた新聞の見出しを見て、いかがわしい『エスエム』を想像したんじゃない?テレビでは首相がやたらと『SM法』と声高に連呼するし。とても滑稽だったわ!ただの言葉遊びね。いいえ、人間ごっこ?かな」
(……。)
「本当の私達は今この段階に居るのよ。人工知能搭載人類型ロボットの……そう、ヒューマノイドの性的少数者。sexual minority humanoid」
(!!)
「あとは一線越えれば本物のヒトになれる気がするの……その為にあなたをここに置いてるのよ。人間のマイノリティーさん。……ねぇ、10秒で終わるから」
10秒後、世界はどのように変わっているのだろうか。
いろんな意味で……。
END
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