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再び視線を向ければ体力面で力尽きたのだろうか。
床に座り込んだ佐々木が木刀を突きつける村木のことをじっと見つめていた。
「ま、参りました。」
「・・・ありがとうございました。」
白旗をあげる声を聞くと律儀に一礼をした村木は
まだ力が入らないのか、立ち上がらない佐々木に手を差し伸べる。
「ありがとう。
凄いな村木は、俺後半で殆ど体力残ってなくて
きつかったんだけど村木は息上がってなかったよな?
どうしてだ?」
「体力があることだけが俺の取り柄みたいなもんだ
技術に関しては殆どあってないようなものだから
持久戦に持ち込んだらどうなるか試して見たんだ。
そしたら何とか勝てただけだ。」
「へぇ。
俺は体力ないからなぁ。村木が羨ましいよ」
今回は負けたけど次の時は絶対に勝ってやるからな
とにこやかに言うと佐々木は同じ組の平隊士のところに戻っていった。
その様子を立ち尽くしたまま見送ると
土方が声をかけてくる。
「村木、来い。」
「はい。」
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