【2】 食えない男

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型にはまった観せるだけの剣術じゃない。 実際に斬りかかってくる敵を想定した実践向きの剣術 であれば、村木が最初に構えることをしなかったのも納得がいくものだ。 本当の斬り合いであれば構えるひまもなく敵が斬りかかってくる。 村木の自然体こそ1番の構えに相応しいものなのだろうな。とふと考える 「ねぇ、土方さん。 試合始めてからもうどれくらい経ちますかね。」 「あ? 四半刻(30分)は経ってねぇだろ。それがどうした」 色んな考えをめぐらせている土方の思考を止めるように沖田がそんな質問をかけてくる 何を思ったのか、沖田の顔は面白いものを見つけた餓鬼のような表情に満ちていて・・・ 先を促すと沖田の口元は上に上がりきっている 「だってみてくださいよ。 佐々木君と村木の様子、凄く面白いことになってますから。」
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