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「そうか!
斎藤君は居合の達人級の実力を持っているから
きっと君の力になってくれるだろう。
頑張ってくれ村木君。」
「はい。
微力ながら浪士組の力になれるのなら。」
夕餉のご飯を、幹部に囲まれながら食べるというのは
なかなか精神的にくるものがあることを村木はこの日知った。
出来れば知りたくなかったことだが
ただ、唯一の救いといえば
沖田と斎藤に囲まれた食事が1番安全だということだ。
最初はこの2人の間でも苦痛を感じなくはなかったが
きっと、あそこでは満足に夕餉は取れない・・・
丁度、反対側に座っている永倉、藤堂は
浪士組にでる質素な夕餉の魚を取り合っている
それはもう盛大に。
「チッ、うるせぇ。
少しは静かに食えねぇのか、あいつらは」
「まぁまぁ土方君
彼等らしいじゃないですか。
江戸にいても、京にいても変わらないのは良いことですから。」
舌打ちをする土方の額には血管が薄らと見えていて
ご立腹なのが村木にはわかったが、それを柔らかくたしなめるのは隣に座っていた、
もう1人の副長、山南だった。
今の時代珍しいびいどろ【ガラス】を使った眼鏡を
している男で
剣術、文学。
両方の知識を合わせ持つ浪士組の頭脳といった存在
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