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その勢いのまま村木は木刀を振り上げて袈裟斬りを
仕掛ける。
斎藤はそれを避けることなく受け止めたため
鍔迫り合いとなるのは必然だ。
「まさか、斎藤組長から試合をしてほしいなどと言われるとは思いませんでした。
一体、どういう風邪の吹き回しですか?」
「お前の、その胡散臭い敬語をやめたら答えなくもない。」
「胡散臭いとは酷いですね。
浪士組に関して、俺はただの平隊士ですよ斎藤組長。なので目の上の人間には敬意を。
それが、当たり前なのでしょう?」
¨以前¨、斎藤に言われたことに揚げ足を撮って言うことは面白いし、楽しい
村木のそんな感情に気づいたのか、呆れたような
雰囲気を斎藤はだす。
出してはいるが、その間も2人は木刀を振り回し
戦っている
全く息を切らさずに
しかも穏やかな会話をしているというのが
第三者からしてみれば恐ろしいことこの上ないだろう。
「いい加減やめろ。村木
先程から寒気がしてしょうがない。」
試合を始めてから四半刻以上経ったが、未だに敬語を続ける村木に限界が来たのか
試合を開始してから始めて、斎藤の方から立ち止まる。
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