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「本当に酷い言いぐさだな。
それが初めて会った時からこの数年間、ずっと文を送りあっている友人に対する態度とは全く思えない。」
「どこが友人だ。
急に文が届かなくなって心配してみれば、浪士組にいるという。
元々、副長とは縁があり行ってみたら普段とは似ても似つかない行動ばかりとる。」
何をやってるんだ。
斎藤は単にそう言いたいのだ。
その思いが乗ったのか、今度の斎藤の斬撃はかなり重く感じた。それが斎藤の実力だったのか、はたまた村木の錯覚であったのかは分からない
だから、それもありお互いの木刀が悲鳴をあげ
激しい音と共に木刀が使い物にならなくなった。
「あー。
この木刀、弱くなってたのか?
俺と一の試合に耐えられないとか、どれだけ弱いんだ。」
「これは買い替えたばかりのものだ。」
「え。」
ありえないといった表情をする村木は、年齢相応の色を出していて夕餉の時のような表情がない。
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