【4】男にとっての友

3/13
前へ
/176ページ
次へ
朝、2.3日世話になった宿を出てから半日 殆ど休むことなく歩き続けていた村木は、足の疲れを僅かに感じ、目の前に丁度あった茶屋で休むことにした。 街中にある茶屋だったため忙しいと思ったが まばらに人が座っているだけで、お昼時とは思えないほど落ち着いた場所だった。 「いらっしゃい。なんにします?」 「茶を1つと、みたらしを3つで。」 「はいよ。少しお待ちを」 店主の明るい声に気分が良くなる 随分とのどかな街だと、ふと思う。 今まで長い時を 1人で旅を続けていたが、その環境はピンからキリまであった。 荒れた場所もあれば、いま村木がいる街のように 穏やかで活気に満ちている街もある。 むしろ、同じ日本だというのにここまでの違いは 何なのだろうと そういった思考が村木の中には存在していた
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加