【4】男にとっての友

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「・・・・・・。」 団子をもぐもぐと食べていると、隣の若者からじーっと見つめられて知るのがわかる。 それは、村木自身を見ているのではなく 村木の腰についている刀の¨位置¨であった。 「そんなに珍しいか?俺の刀の位置が。」 「え。・・・・・・まぁ」 そう 村木もまた、若者と同じ右差しだ。 といっても正直、村木の右差しは気分で左差しにも変化する。 規則性がないのだ。 その日の気分によって、右か、あるいは左か。 様々に変わる。 今日はたまたま右差しの気分だったのだが、若者は 村木が右差し出なかったら目線を寄越すこともなかっただろう。 「君も随分と珍しい刀の差し方をしている。 ご両親や、道場の師範に直されたりしなかったのか?」 「最初は直そうと努力はした。 ・・・努力はしたが、左差しに直すと威力が格段に落ちてしまった。」 当たり障りのない会話をする。 相手の名を知らず、善人なのか、悪人であるのか。 強者か、弱者か。 そんなことも知らず。 ただ、お互いの刀のみ話す なんとも不可思議な世界
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