第5話  『雨』

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 それからの時間の流れは曖昧で、あるときリンカはピタリと泣きやみ、リンコウを抱いたまま、僕の方へと歩いてきた。    行こう。  と音のない声が耳元でささやいた。  リンカは僕らが眠っていたところに向かって淡々と歩いていく。僕は彼について行く。    朝から変わらない暗い空の下には、リンコウが引いてきた荷車が、僕らを待っていたかのように、静かにたたずんでいた。    リンカは上着を脱いで、リンコウの身体を無表情で包んでいく。じんわりと赤いものが広がっていく。    リンカと目が合う。  無言で荷車に乗る。布に包まれているリンコウの隣に座る。    リンカは走る。  走る、走って、止まらない。  息が切れても、つまずいても、荷車は走る。  ガラガラガラガラ・・・・・・
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