第5話  『雨』

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 死んだってどういうことだよ!?どうしてリンコウが!?だいたいお前は何者だよ。リンカは何かケガしてない!?説明しろ!リンコウが死んだなんて冗談だろ!?嘘つくなよ!どうして!?なんで!?まさか!どうしてどうしてどうして・・・・・・   「・・・荷台ッ・・・」  息継ぎをする間もない質問の嵐を突き抜いたのは、リンカの力ない叫びだった。  最初に出てきたおばさんが荷台をのぞき込む。  ヒッと息を呑む。  尻餅をつく。  おばさんの恐怖が、周りに伝染していく。 「ど・・・どうして・・・・・・」 「それは・・・」 「彼が、僕の姉をかばったからです。」  リンカの涙混じりの言葉尻をもらって、淡々と話す自分。それを、僕はどこか遠くから傍観しているような気分だった。 「君のお姉さん?その人はどこに?」  僕は、口を開いて、また閉じた。 「荷台には・・・リンコウしかいないわよ。」  おばさんの涙声が僕に返答を催促する。  僕がまた口を開く。 「ミズ姉は、」    ___言葉が詰まった。  息が、これ以上でない。    もう一度息を吸う。 「ミズ姉は、」  また、止まる。  あれ?  あれ????? 「ミズ・・・ね、え、は・・・」  心臓が、今初めて動き出したように、鼓動が身体の中心から指先に向かって波紋を広げていく。  呼吸が(はや)る。 「・・・・・・っ」  ついに声もでない。  心臓が、皮膚が、痛い。  息が苦しい。  心臓が、喉元が、唇が、鼻が、目頭が熱い。  ぐにゃり、と視界が歪んで    ぽろっ  と、温かいものが一粒、  目尻から、頬を伝って、顎でとどまり、地面に向かってこぼれ落ちた。      
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