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死んだってどういうことだよ!?どうしてリンコウが!?だいたいお前は何者だよ。リンカは何かケガしてない!?説明しろ!リンコウが死んだなんて冗談だろ!?嘘つくなよ!どうして!?なんで!?まさか!どうしてどうしてどうして・・・・・・
「・・・荷台ッ・・・」
息継ぎをする間もない質問の嵐を突き抜いたのは、リンカの力ない叫びだった。
最初に出てきたおばさんが荷台をのぞき込む。
ヒッと息を呑む。
尻餅をつく。
おばさんの恐怖が、周りに伝染していく。
「ど・・・どうして・・・・・・」
「それは・・・」
「彼が、僕の姉をかばったからです。」
リンカの涙混じりの言葉尻をもらって、淡々と話す自分。それを、僕はどこか遠くから傍観しているような気分だった。
「君のお姉さん?その人はどこに?」
僕は、口を開いて、また閉じた。
「荷台には・・・リンコウしかいないわよ。」
おばさんの涙声が僕に返答を催促する。
僕がまた口を開く。
「ミズ姉は、」
___言葉が詰まった。
息が、これ以上でない。
もう一度息を吸う。
「ミズ姉は、」
また、止まる。
あれ?
あれ?????
「ミズ・・・ね、え、は・・・」
心臓が、今初めて動き出したように、鼓動が身体の中心から指先に向かって波紋を広げていく。
呼吸が逸る。
「・・・・・・っ」
ついに声もでない。
心臓が、皮膚が、痛い。
息が苦しい。
心臓が、喉元が、唇が、鼻が、目頭が熱い。
ぐにゃり、と視界が歪んで
ぽろっ
と、温かいものが一粒、
目尻から、頬を伝って、顎でとどまり、地面に向かってこぼれ落ちた。
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