4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
はらはらと零れる涙。
身体はどんどん温度を上げ、心臓が潰れるように痛む。
泣く
という、小さい頃から何度も体験してきたはずのこの行為が、今までどうしてもできなかったのは
ミズ姉のことを、
ミズ姉があの白衣の男に連れ去られたことを、
まるで、無かったかのように、僕が受け入れようとしなかったから。
でも、もう逃げられない。
ミズ姉がいなくなってしまった事実からは。
「うわあああああああああああああああああああああああああああっああああああああああああああああああああああああああああ」
リンカは僕を抱きしめて、一緒に涙を流して、僕の声をかき消すように潰れた喉で叫ぶ。
おばさんが僕らを立たせてくれるまで、僕らは暗い空の下で泣き続けた。
最初のコメントを投稿しよう!