ー 事件 ー

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3 ー 事件 ー 次の日、ある事件が校内で起きたために俺は昨日の三年と藤間光のことを三枝先生に聞くのをすっかり忘れていた。 その事件というのは、何者かが 職員室のガラスを割ってある教員の机を荒らしたということだった。 朝早く警備員に見つけられたその事件は警察を呼び現場検証が行われている。 ガラスは綺麗にクレセントの部分がカットされ、割った時には音もしなかっただろうということだった。 しかし警備システムが入っているのになぜ鳴らなかった? その疑問はやってきた刑事にあっさりと解明された。 昼間予めガラスを切ってクレセントを外し窓を開き忍び込んだところで窓を閉める。そして職員室が空になったところで見回りの警備員の目を盗んで物色をし、朝のなにかのタイミングで外に出たんだろうという事だった。 校内のシステムは古くて、出入り口と窓にしか警報装置がほどこされていない。良く知ってますね、という刑事の感想を聞きながら、何を取られたのだろうと聞くと、その教員の個人データーの入った媒体が盗まれた、らしいということ。 その教員は保健体育の40になるベテランの男性教諭で、やられたと刑事の前で口走ったらしいが、尋ねてもなんのデータかは口を閉ざしているのでわからないということだった。 おまけに盗難届も出さないと言っていると聞いて、俺からも再度質問してみることにした。
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