第3章 たった半年

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見かねた妹はすぐさま祖母の家に電話をして助けを求めた。 車で5分程度の場所にある祖母の家。 もちろんすぐにやってきた。 母の遊びに行ってる間に起こったこの喧嘩。 ただの喧嘩ではない。みんな限界に寂しくつらく耐えられなくなっていたから起こった喧嘩。 私が帰りが遅くなった事はもちろん悪い。ただ それは引き金にすぎなかった。 この状態をみた祖母と祖父は母に電話をし 怒鳴りながら呼び戻した。 しばらくすると母戻ってきた。 自分のいない間に起こった悲劇である。みんな子どもは泣いている。母として反省し、後悔するのが普通だろう。 だが、夜遊びを覚えた母は違った。 「こんな事でわざわざ呼び戻すなんかどういうことよ!飲みに行くのは子供に言うていっとる!二度と電話せんで!」そう怒鳴って反省と心配の言葉 ましてや謝罪などなにもなかった。 残ったのは 母が飲みに行った時は何があってもお利口にしていなければならない。電話もしてはならない。祖母に電話をして助けを求めてしまったという私達の後悔と反省と恐怖だけだった。 1年前までは家を建てると家族5人で話合い、庭でバーベキューをしそれぞれの部屋の家具を見に行ったり 大きなリビングにつながる台所で食事の支度をしている母を見る。     
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