第4章 壊れる心

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大きな段ボール。 「ストレスが溜まったらこの段ボールをナイフで刺して発散しなさい」 私は言われるままにダンボールを刺しまくっていた。 それがおかしな事だとも思わず、母が用意してくれた事が嬉しいとさえ思っていたのを覚えている。 段ボールを刺してストレスは発散されていた。 しかし、刺す箇所にも限界がある。 そのうち 段ボールでは発散されず 部屋のカーテンを切る。 だが、部屋のカーテンは切ったのがばれたら怒られる。 咄嗟にそう思った私が次に向けたのは 自分の腕だった。 怪我をしたいわけではない。痛い思いをしたいわけでもない。 ただ 母に心配してもらいたかったのだ。 こんなになるまで放っておいてごめん と ただそう思ってもらいたかった。 そのために自分の手首を切るようになった。 手首を軽く切ってみる。 最初はうっすらと痕が残った。 「こんなのじゃお母さんは気づいてくれない。心配してくれない」 私は怖いという気持ちを持ちながら 血がでなきゃだめだ。もっと深く。 もっと見てすぐわかるように。 そう思った私は血が出るまで自分の手首を切り続けた。 成功。何か所か痕が残り リストカットだとすぐに見てわかる。 これを見たら 心配してくれるだろう。     
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