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大きな段ボール。
「ストレスが溜まったらこの段ボールをナイフで刺して発散しなさい」
私は言われるままにダンボールを刺しまくっていた。
それがおかしな事だとも思わず、母が用意してくれた事が嬉しいとさえ思っていたのを覚えている。
段ボールを刺してストレスは発散されていた。
しかし、刺す箇所にも限界がある。
そのうち 段ボールでは発散されず 部屋のカーテンを切る。
だが、部屋のカーテンは切ったのがばれたら怒られる。
咄嗟にそう思った私が次に向けたのは 自分の腕だった。
怪我をしたいわけではない。痛い思いをしたいわけでもない。
ただ 母に心配してもらいたかったのだ。
こんなになるまで放っておいてごめん と ただそう思ってもらいたかった。
そのために自分の手首を切るようになった。
手首を軽く切ってみる。
最初はうっすらと痕が残った。
「こんなのじゃお母さんは気づいてくれない。心配してくれない」
私は怖いという気持ちを持ちながら 血がでなきゃだめだ。もっと深く。
もっと見てすぐわかるように。
そう思った私は血が出るまで自分の手首を切り続けた。
成功。何か所か痕が残り リストカットだとすぐに見てわかる。
これを見たら 心配してくれるだろう。
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