遊び相手

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遊び相手

 少女と出会った日から僕は起きている間、室内にいる時間の方が少なくなった。朝起きると朝食を食べて歯を磨いて顔を洗い、荷物を持って裏山に登る。するといつものようにキヨコは祠のところで待っていた。 「キヨちゃん」 「おはよ。今日は何して遊ぶ?」  彼女は僕の遊び相手になった。一緒に虫やカエルを捕まえたり、きっと古いだろう童歌や遊びを教わったりした。  水筒が空になると僕は祠の側で湧く水を飲んだ。口の中を刺すように冷たくて美味しかった。  正午過ぎまで遊んでいったん別れると僕は家で昼食を食べて戻った。するとまたキヨコは祠で待っていて、僕と遊んでくれた。  そんな風に夏はいつも彼女と遊んでいた。しかしそれは小学校までだった。はたりと発作が出なくなって段々と薬が減り、中学に上がる頃は完全に薬を止められた。発作が出ないから転地療法をする必要がなくなった。  また、中学校という新しい環境で友達を作ることができたり部活を始めたことも大きかった。だからしばらく僕は叔父のところに行かなくなった。
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