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僕はカリンの物言いがものすごく腹が立つ。ユキヤも呆れたように一歩引いている。
「なっ、お前だけどこかに行けばいいだろ?」
カリンに対して、つい、きつい物言いになる。
「あら、正直に気持ち悪散って言ったわよ?」
「気持ち悪いって言われても逆に迷惑なんだよ。気持ち悪くったって、クラスにいるもんはしょうがないだろう! お前だけでこの世に生きてるんじゃないんだよ」
「なによそれ、ムカツク」
「どうしてお前は、気持ち悪いとかむかつくとか、趣味の悪い言葉を使うんだよ?」
ああ、もう、止められない。性格の悪いボクが、どんどん出てくる。苦しい。悲しいよ。
「どうして、ボクの否定ばっかりするんだよ、お前たちのほうこそっ」
そこまで言いかけて、相手の瞳が潤んでいるのに気が付いた。ボクは、これ以上この子を傷つけてどうするんだと思った。
「あ、あんたなんか、変態じゃないの!」
「じゃあ、そんな人間が、ボクの中にいるとしたら?」
「はぁっ?」
いったん言葉の争いが収まってから、藍が何かを察しているかのように、こう言った。
「よしなさい、サダメ。それ以上、自分を追い詰めるな」
この子も、僕のこと、嫌ってる……。
「何が?」
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