【R18】羨ましいのは皆同じ?(ルイーズ)

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【R18】羨ましいのは皆同じ?(ルイーズ)

 西のテロが収まったのが、九月の頭。今は十月の中程となった。  王都はすっかりカール四世の結婚に湧いて、お祝いモードとなっている。当日は教会から王城までのパレードもある。  収穫の祝いもあり、大変なお祭り騒ぎが予想された。 「あの、どうでしょうか?」  純白のドレスに身を包んだデイジーが、はにかんだ笑みを浮かべながらルイーズの前に出てくる。白に純白のレース、刺繍、ビーズを施したそれは芸術のように美しい。後ろは長く尾を引き、顔を覆うヴェールは花々をあしらった花冠で固定している。 「お美しいですよ、デイジー様」 「有り難うございます。なんだか、嬉しいような恥ずかしいような感じです」  ほんのりと頬を染めるデイジーは、それでも俯く事は少なくなった。  西の事件は少なからず彼女を悲しませた。慕った叔父が人質に取られ、首謀者の一人は従兄弟だ。  泣き崩れ、「私は陛下の妃に相応しくありません」と頭を下げて謝ったデイジーを覚えている。華奢な肩が震えているのを、とても苦しく見ていた。  だがカールは土下座するデイジーの手を取って助け起こし、その手の甲に口づけを落とし、気遣わしく、そして優しく微笑んでいた。     
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