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「……それで、貴方に声を掛けたの……」
私は震える声を抑えながら……ゆっくりと事の次第を話した。
「ふぅ……ん」
ため息混じりに男は言う……。
「なんの決心かは知らないけどさ……」
「お子様は、お家に帰った方がいいんじゃないか……?」
男は呆れた声で私に語り掛けて来る……。
「そッ……そんな……」
「話が違う……」
私が男に声を掛けるまでの、事情を聞いて来た時点で変だ……とは、思ったものの……
予想外の言葉に、私の心臓は、激しく踊り……落ち着く間も無いまま男を引き止めた。
「待って……」
「私は自分の事を話したんだからさ……」
「貴方の事も教えてよ……」
呼び止めた、までは良かったが、……とっさに私の口から吐き出された言葉は、全くもって意味を成さない物だった……
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