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私の言葉に、男は再び腰を下ろしたが……口を閉ざし黙って私を見下ろすだけだ。
なんで……?
なんで、私は……見ず知らずの男に跪いているの……?
なんで、哀れな目で見られなきゃならないの……?
「貴方は、私を買ったんじゃないの……?」
「なら、さっさと私を抱けばいいじゃない……」
言葉を吐き出すたびに……
強がりと言う名の仮面は崩れ始める…………
「……世も末だな」
男は溜め息が混じった呆れた声で一言だけ答えると……
ポケットから煙草を取り出しながら、静かに椅子に座り……
煙草に火を付け始めたんだ。
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