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しゃがんで歩いて、急いで姿を消そうにも、アパートの長い外廊下は一直線だ。
相手の後ろ姿くらい見れるだろう。
ところが、ドアを開けると誰もいない。
更に玄関を出て外を見渡すも、徒歩の人間一人すら居ないのだ。
私は結論として、ドアノブを回しているのは幽霊だと結論付けた。元々、霊感があった事とオカルト脳になっていた為、そんなふうに片付けてしまったのだ。
それからも、時間問わずドアノブがガチャガチャというようになった。
鍵は掛けているし、怪奇現象となれば素人の私になす術はないのだ。
そうして何ヶ月も過ぎていった。
子供が産まれ、ゲーム機を手放した私はテレビを頻繁に観るようになった。
その時、防犯対策の企画で特集が放映されており、その中の空き巣の手口に唖然とした。
まず、アパートの角部屋は狙われやすい。更に、いつもカーテンが閉まっている部屋、夜も明かりがつかない部屋、洗濯物が外に干されてない部屋など、全てが当てはまっていた。
そしてドアノブだ。
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